小児科とは

小児科のイメージ写真

小児科は、新生児から15歳くらいまでのお子さまを対象とした診療科です。当クリニックでは、感染症はもちろんのこと、生まれながらの異常や成長(発育/発達)過程の歪みによって生じた様々な病気を幅広く診療いたします。お気軽にご相談してください。
保護者の方が見て、「子どもの体調が悪そう」、「様子がいつもと違う」といった場合も、すぐにご来院ください。とくに小さなお子さまは、症状が急に悪化することが多いので注意が必要です。下記のような症状がみられたときは、お早めに当クリニックをご受診ください。

よく見受けられる症状

発熱

急な発熱を認めた場合は、一般的にはすぐに受診する必要はありません。ましてや38℃以上になれば見た目に重症感があるので、心配されるでしょうが、そんな場合は一度くらい下熱剤を服用させてみてもいいでしょう。
速やかに下熱して、活気や食欲が回復すれば、緊急性はありません。
ただ、1.6ヶ月未満の乳児や集団生活で流行性疾患が疑われる場合は早めの受診をお勧めします。

せき

咳が長引いて薬がなくなりそうなときは、薬がなくなるまでに診察を受けにお越しください。

呼吸器症状(咳、鼻汁、鼻開)

1才未満の乳児の場合、哺乳状態などが良好なら空気環境を整えて、経過観察してください。
お宅は木造でしょうか、鉄筋ですか…。戸建てですか、マンションですか…。築何年ですか。住居環境によって育児環境は大きく変わります。その辺りがいい加減にしたまま、ダラダラ投薬を続けるのは発達の観点からあまり感心できません。
乳幼児期以降では、特に睡眠に留意してください。夜間加温、加温したりしても改善しない場合は早めに受診してください。

喘息の原因

気管支喘息(以下、喘息と言う)発作の初発年齢は2歳がピークであり、0歳の乳児喘息というのは免疫学的見地からも、非常に稀です。
喘息に関しては早期介入、早期活療がトレンドではありますが、2歳頃までにしっかりと病型および重症度分類を済ませて治療にあたります。

鼻水・鼻づまり

鼻汁が鼻の前に垂れること(鼻水)を前鼻漏(ぜんびろう)、のどの方へ回って落ちていくことを後鼻漏(こうびろう)と言います。そして、鼻汁がのどに落ちるために起こってくる不快症状を総称して「後鼻漏症候群」と呼びます。後鼻漏症候群の認知度は低く、それと知らずに症状に苦しんでいる潜在的な患者さんも少なくないと思われます。
後鼻漏症候群を起こす主な原因疾患としては、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、風邪症候群、鼻の腫瘍、また自律神経失調症などがあります。

鼻づまりとは、鼻の中の通気性が下がって鼻呼吸がうまく行えなくなっている状態です。
鼻づまりの原因には鼻の粘膜が腫れた場合と、それ以外の原因の場合があります。
鼻の粘膜が腫れる疾患としては、風邪、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、花粉症などが代表的です。当クリニックには鼻水吸引機がございますので、鼻水・鼻詰まりを解消してお子様の不快感を取り除いてあげることができます。鼻がすっきりするだけで機嫌も良くなり睡眠時の不快感も軽減いたします。鼻水吸引だけでもお気軽にお越しください。

嘔吐・下痢

嘔吐

小さなお子様は、これといった病気でなくとも少しの刺激でよく吐きます。この場合、嘔吐後もケロっとしているのであれば何もする必要はありません。ただ嘔吐後に水分をしっかり補給できているかを確認する必要があります。飲んでもすぐ吐くといった様子があれば、胃腸や神経の病気を発症していることが考えられるので、速やかにご受診ください。

下痢

下痢の症状がある場合は、胃腸炎の可能性が高いです。下痢に血が混じっている場合は細菌やウイルス感染、食事によるアレルギーなどが考えられます。ちなみに乳児は、おなかの状態が不安定なことが多く、下痢をすることは決して珍しいことではありませんが、下痢が続いて水分摂取もできていない状態でぐったりしているのであれば脱水症を起こしているかもしれませんので、お早めにご受診ください。

のどが痛い

のどが痛むことで考えられる代表的な疾患に咽頭炎があります。
咽頭は鼻や口などを介して外部と接触しやすいため、ウイルスや細菌が侵入しやすく、風邪やインフルエンザに感染することで咽頭部(のど)が腫れる(粘膜の炎症)ようになります。これを咽頭炎と言います。そのほか感染以外でも、乾燥などの物理的な刺激、アレルギーが原因で咽頭炎が起きることもあります。
のどが腫れるようになると、痛み、かゆみ、せき、痰、声嗄れなどの症状が現れるようになります。さらに食物などの飲み込み時に嚥下痛がみられることがあります。そのほかにも頭痛や発熱といった症状が伴うこともあります。このような咽頭炎を急性咽頭炎と言い、これを繰り返すと慢性咽頭炎になります。なお慢性になると強い痛みは出ませんが、のどの不快感やせきといった症状が続く、あるいは繰り返すようになります。

治療に関してですが、ウイルス感染が原因の場合は、解熱剤、積極的な水分摂取、安静といった対症療法が中心です。細菌の感染であれば抗菌薬を用います。また、咽頭炎については日頃からの予防対策も大切です。こまめに手洗いやうがいをするなどして、のどを清潔に保つことも大切です。

おなかが痛い

お子様がお腹を痛がっている場合、可能性としては、便秘、ウイルス性腸炎、急性虫垂炎(盲腸)、腸重積症、アレルギー性紫斑病などが考えられます。腹痛の原因を探る為に便の有無、状態などについてお伺いいたします。またお子様がお腹の強いハリや腹部の右下に激痛を訴えているのであれば急性虫垂炎が考えられます。この場合は応急処置などはせずにお早めにご受診ください。また腹痛だけでなく、顔が真っ青、血便、下痢、嘔吐などの症状がみられている場合も直ちにご受診ください。

その他・川崎病

川崎病は、川崎富作という医師が発見した、発熱、リンパ節の腫れ、手足の指先の皮膚の皮がむけるなどといった症状を伴う、子どもに特有の病気で、発見者の名前をとって、「川崎病」と名づけられました。
原因はわかっていませんが、ウイルスや細菌に感染したのをきっかけに、人の免疫が過剰に反応し、全身の血管に炎症を引き起こしてしまうのではないかと言われています。

主な症状

  • 発疹。
  • 38度以上の熱が5日以上続く。
  • 目の充血。
  • 唇が赤くなり、舌がイチゴ状に赤くなる。
  • 手足が腫れて熱が下がってから手足の指先の皮がむける。
  • 首のリンパ節が腫れる。
  • BCG接種部位が赤く腫れる。
  • 関節が痛くなる。

主な症状

  • 高熱(概ね38℃以上)が出た
  • 水を飲んでくれない
  • 嘔吐や下痢が続いている
  • 顔色が蒼白になっている
  • なんとなく元気がない
  • 意識がはっきりしない
  • ひきつけを起こした
  • 呼吸が苦しそう
  • 咳や鼻水が続いている
  • 発疹がある
  • 機嫌が悪い
  • 泣き方がいつもと違う など

お子さまが発症しやすい病気

風邪症候群、インフルエンザ、急性中耳炎、ヘルパンギーナ、プール熱、おたふくかぜ、りんご病(伝染性紅斑)、咽頭結膜熱(プール熱)、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、扁桃炎、RSウイルス感染症・新型コロナウィルス・マイコプラズマ肺炎・水痘(水ぼうそう)、麻疹(はしか)、風疹、手足口病、溶連菌感染症、りんご病、水いぼ、とびひ、アトピー性皮膚炎、皮脂欠乏症、湿疹、突発性発疹、虫刺性皮膚炎、ウイルス性胃腸炎、アレルギー性皮膚炎、気管支喘息、花粉症(アレルギー性鼻炎)、ダニ高原によるアレルギー性鼻炎、おむつかぶれ、あせも、細気管支炎、肺炎 など

円滑に診療を行うためのお願い

ノートと鉛筆画像

お子さまの症状について、あらかじめ以下のような情報をお聞きできれば診察がスムーズになります。お分かりになる範囲でご協力いただければ幸いです。

  • 分娩出産時のこと
  • 今までの発達、発育について
  • これまでに経験した大きな病気や手術 など
  • アレルギー歴
  • まわりで流行っている感染症について
  • 現在の症状の様子
  • いつ頃から症状が現れたのか
  • 発熱や喉の痛みなどの有無と状態
  • 尿や排便の状態
  • 食欲の有無とその程度
  • 症状の原因として思いあたること
  • 薬に対するアレルギーの有無
  • 現在、服用させている薬

受診時の注意点について

診療は原則として順番通りに行いますが、強い急性症状のお子さまがいる場合は、診察の順番が前後することもあります。あらかじめご了承ください。なお、インフルエンザ、風疹、麻疹、おたふくかぜ、水ぼうそうといった感染症の疑いが考えられる場合や、熱がある場合は、感染症と非感染症の待合室と診察室が別にございますので、受付にお申し出ください。