- 2022年1月19日
- 2024年2月8日
寒いですね…
寒いですね…特に朝の通勤時間は気温5℃を下回っているので,ロードバイクで走ると,鼻や指先が痺れて感覚が無くなってきます.湿度も常時40%以下でインフルエンザ流行の好条件が重なっているのに,インフルエンザは何処へやら…全く12月のブログで予想した通りの流れではありますが,暇です^^;.でもこれはここに来てCOVID-19第6波到来による受診抑制の影響も多分にあるのでしょうね.そこでお約束のトリビア「新型コロナウイルス感染症の行方…オミクロン株の出現でどう変わるのか.」を少々…
ウイルスからヒトに至るまで遺伝情報は核酸の塩基配列によってコードされていて,それがゲノムと言われていることは漠然とご存じだと思います.でもその半分以上はウイルスの残骸だってことはご存じなかったのでは….これはヒトだけでなく真核生物全てに共通の普遍的事実です.ウイルスは全て細胞をホスト(宿主)として増殖しますが,変異することによってどんどん感染力を高めていきます.と同時に感染機会を増やすために潜伏期間は長くなり,病原性は弱くなっていくのです.ホストを動けなくしたり,殺してしまっては共倒れですから….だからオミクロン株の爆発的流行及び重症患者数の少なさは,そういった意味では想定の範囲内のことなのです.
だからといってオミクロン株による感染が,それによって自然淘汰されつつあるデルタ株のそれよりも軽症だと断定するのは時期尚早です.何故なら現在流行の中心は20~30代であり,基礎疾患さえなければ重症化しにくい集団に感染が広がっているからです.ワクチン接種率が9割を超える高年齢層は,今のところブレークスルー感染があるにせよ集団免疫に守られていますし行動範囲も狭く感染機会そのものが少ないです.しかし若年層は集団生活を送っていて活発に動き回るので感染の機会も多く,瞬く間に感染を広げてしまうのです.3回目接種も大切だとは思いますが,早急に未就学児も含めた若年層へのワクチン接種を加速して集団免疫を強化することこそCOVID-19を沈静化するための最重要事項だと考えています.国民全体のワクチン接種率が9割を超えたとき,COVID-19は急速に衰退し消滅する…そんなシナリオに想いを馳せるのです.
今回の感染爆発には小児科医として今までにない圧力を感じているというのが本音で,このまま自粛を続け若年層よりも3回目接種を優先した場合,感染者数は3月までに今の10倍以上…全国レベルで1日30万人は超えていくでしょうが重症患者はそれ程増加せず,その後緩やかに減少に転じるでしょう.これはこれで評価されるとは思いますが,殆ど動きのない高齢者ではなく活発に活動する若年層の集団免疫を高めつつ,積極的に教育経済活動支援を展開する姿勢こそが政治的なリーダーシップ(匙加減)だと思うのですが…そしてそれこそが結果的に基礎疾患を有する者や高齢者などの免疫弱者をも救済することになると思います.
当院では院内で新型コロナウイルスPCR検査を含めた種々の検査を迅速に施行出来る体制を整備し,こどもたちの健全な集団生活が阻害されることのないように努めていきたいと気を引き締めている今日この頃です.
次回のトリビアは「COVID-19流行終息後の世界…ポストコロナを見つめて」を予定しています.
乞うご期待^^