• 2022年1月21日
  • 2024年2月8日

COVID-19流行に対する対策

 私は保育所から幼稚園,小学校を含めて13カ所の嘱託医を務めさせて頂いていますが,19日にその中の1カ所で0歳児クラス15人が濃厚接触者に認定されました.保健所の指示で朝の始業前に園庭で園児14人の鼻咽頭ぬぐい液を採取し,クリニックに持ち帰りました.こっちもフルPPEで大変でしたが,寒風吹きすさぶ中で等間隔に並び,お子さんを抱いて不安そうに順番待ちをしているお母さん方が,本当に可哀想でした.クリニックでもCOVID-19の疑いで更に20人にPCR検査施行…最終的には34人中7人陽性でしたが,無論全例軽症でした.

 昨年来COVID-19流行に対する対策として3密を回避するため,当院では順番予約制に統一しました.現在のところ感染待合及び非感染待合を合わせて5組以上お待たせすることがなくなり,スムーズに診療出来ています.今までの時間予約制に馴れている方々にはご不自由をおかけすることになっているかもしれませんが,悪しからずご了承ください.ただし順番予約制とは言え遅れる場合はその旨を前もって受付にご連絡頂ければいいですから,わざわざタイミングを見計らってご予約頂く必要はありません.
 当院は開院当時から患者間の相互感染防止には細心の注意を払っています.非感染外来は陽圧にして,感染症患児からは隔絶されています.感染症待合でもソーシャルディスタンスに配慮した椅子の配置にしています.日本医師会は国民に安心して受診してもらえるよう,感染対策を実施している医療機関に掲示してもらう「新型コロナウイルス感染症等感染防止対策実施医療機関『みんなで安心マーク』」を8月から制作しました.
 おがた小児科では,AMR※1)対策の一環として診断根拠がある場合にのみ抗生剤を使用し,過不足のない適切な投薬を日々心がけています.服薬困難や副反応の問題など,疑問があれば何でも気軽に質問してください.
 軽症の上気道炎に当院では漢方薬をよく処方しますが,その理由は頭もスッキリするし乳児にも使用出来るからです.親が観察するべきポイントは4つ:食欲,睡眠,機嫌,発熱です.全部問題なければ症状にあわせ親の判断で漢方薬服用の要否を決め,快適に過ごさせてあげてくださいね.
 小児科医はこどもたちの健やかな発達/発育をトータルにサポートするオーガナイザーです.頭のてっぺんから足の先まで何かあったら素人判断をせず,まず小児科を受診することが一番の近道であるとお考えください.軽い風邪かなと思っても先ずは小児科です.そして診察/相談の上,万一必要な場合は適切な専門医をご紹介申し上げます.
 AMR※1)とは病原体が変化して抗生物質・抗菌薬が効かなくなることです.
 抗生物質・抗菌薬の使用に伴ってAMRが起こることがあります.
 何も対策をとらす現在のペースで増加した場合,2050年には
 1000万人【3秒に1人※2)】の死亡が想定され,癌による死亡者数を
 上回ることが指摘されています.

※1)AMR: Antimicrobial Resistance 
※2)英国薬剤耐性に関するレビュー委員会(オニール委員会)
  第一次報告(2014年12月)

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